不労収入という言葉は、概して誇張されている。
だがこれは本当に手間がかからない。月18,000円が、何もしなくても振り込まれてくる。その仕組みと現実を、そのまま書く。
なぜ駐車場を貸すことにしたか
物件を探していた段階から、駐車場付きの物件にこだわっていた。理由は2つだ。資産価値の観点と、将来車が欲しくなったときのためだ。
入居後、副業の選択肢を考えていた。準備も費用もなく、すぐに始められるものを探していた。駐車場の貸し出しがその条件に当てはまった。
周辺の相場を調べ、個人が駐車場を貸し出すことの制度を理解した。そして友人に相談した。その友人がたまたま駐車場管理会社の元社員だった。2社を紹介してもらい、それぞれに見積もりを依頼した。
契約の流れ
参考までに、契約から収入発生までの流れを整理しておく。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 現地視察 | 営業担当が昼間に現地確認 |
| ② 稟議・見積もり提示 | 1~2週間程度で正式見積もり提示 |
| ③ 契約内容確認 | オンラインで説明・確認 |
| ④ 契約締結 | 書類にて正式契約 |
| ⑤ フリーレント期間 | 利用者募集期間(収入なし) |
| ⑥ 利用者確定・収入発生 | フリーレント明けから賃料発生 |
私の場合、友人の紹介もあって事前にある程度の情報共有はされており、スムーズだったが、稟議が降りるまで少々時間がかかったのかもしれない。全体的に契約まで問題はなかった。
フリーレント期間は2ヶ月だった。賃料は前払いのため実際には契約から1ヶ月と少し経ったタイミングで最初の賃料は日割りで振り込まれた。
なお、出来高型の場合はフリーレント期間は契約者が変わるたびに発生する。おそらくどの会社でも同様だ。利用者が入れ替わるたびに1〜2ヶ月の収入ゼロ期間が生じることは頭に入れておくべきだ。
2社の見積もり比較
A社・B社それぞれから提案を受けた。
どちらも契約金や入会金、管理費はかからない。実際の利用者が支払う賃料から会社利益が引かれた金額が駐車場オーナー側に支払われる。
A社(今回契約した会社)
全国で駐車場のサブリース・管理を専業とする大手だ。管理実績が豊富で、利用者とのトラブル対応も管理会社が窓口になってくれる点が安心感につながった。「駐車場 サブリース A」と検索すると1ページ目には出てくる会社だ。私の条件での提案はサブリースのみだった。
| 方式 | フリーレント | 月額 |
|---|---|---|
| サブリース(賃料保証型) | 2ヶ月 | 18,000円固定 |
B社
| 方式 | フリーレント | 月額 |
|---|---|---|
| サブリース(賃料保証型) | 2ヶ月 | 16,500円固定 |
| 出来高型 | 2ヶ月 | 19,800円(利用者がいる月のみ) |
B社は2方式の提案があった。出来高型は月19,800円と高いが、利用者がいない月は収入ゼロになる。スペースが狭く車種が限られる私の駐車場では、空車リスクが無視できない。
なぜA社のサブリースを選んだか
私の駐車場には2つのハンデがある。前面道路が狭いこと、そして駐車スペース自体も狭いことだ。実際、利用者から「運転席側が狭い」という声も届いている。
こうした条件を踏まえて、安定を優先した。
出来高型のB社を選べば条件次第で月19,800円になる可能性があった。だが空車が続けば収入ゼロだ。A社のサブリースなら利用者の有無に関わらず18,000円が保証される。
結果として9ヶ月以上、利用者が途絶えたことは一度もない。実際周辺の相場は駐車場の設備や広さによっては25000~30,000円のレンジを狙える。出来高型を選んでいればさらに収入は高かったかもしれない。だが当時の判断として、安定を取ったことに後悔はない。
契約前にやったこと
契約書はAIでチェックした。友人にも確認してもらい、条件を微修正した。
そして一つ、口頭でお願いしたことがある。
騒音を出す車種、乱暴な運転をする人、生活動線を妨げる人、反社会的な人、顔や体に大きなタトゥーがある人は遠慮してもらいたい。
契約書には書かれなかった。口頭での約束だ。会社側も「審査規定はあるが絶対の約束はできない」と正直に言った。それで構わないと思った。
新規契約者については、車種と免許証のコピーの提示をお願いしている。法的な拘束力があるわけではない。ただの儀式だ。だが儀式には意味がある。
顔にタトゥーがある人や腕に入れ墨がある人が悪い訳ではない。ただ、そういった派手な人物はいくらマナーがあっても、近隣の住民に恐怖を与えてしまうことになるからだ。私が怖い訳じゃあない。
近所の平穏を願うことが、私の平穏につながるのだ。
運用してみての現実
手間はほぼゼロに近い。
車が止まっていない日に落ち葉や埃が気になれば、掃き掃除をする程度だ。車止めを設置した。2,500円ほどの安いものだが、十分機能している。
トラブルは2件あった。正確にはトラブルの火種になりそうな小さな出来事だ。
トラブル①:通路の封鎖
玄関までの通路が30cmほどしか空けられない状態で駐車され、2日以上放置されたことがある。A社にメールした。翌営業日に返信が来て、利用者も理解してくれたとのことだ。それ以来、通路は最低50cm以上確保してくれている。運転席側は明らかに毎日窮屈そうだが、良い利用者だ。
トラブル②:近隣の塾の自転車問題
近所に子どもが集まる塾教室がある。低学年の子どもたちは無邪気だ。道路に対して垂直に自転車を停める。駐車場の利用者の通行を妨げ、間接的に私にも影響が出る。
丁寧に、低姿勢で、塾に自転車の停め方の指導をお願いした。近隣からすれば「いきなり引っ越してきたやつが何を言っているのか」と思ったかもしれない。感じの良い対応ではなかった。それでも「指導はする。」と言ってくれた。
A社からも塾に連絡が入ったようだが、まだ私への報告は来ていない。自転車は相変わらず乱暴に停められている。やれやれだ。
これが戸建てとサブリースを選んだ私の課題だ。近所づきあいに気を配りながら、平穏のために冷静に対処していく。
収支の現実
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月収入 | 18,000円 |
| 年収入 | 216,000円 |
| 税負担(雑収入・実効税率約20%) | ▲約43,200円 |
| 税引後年収入 | 約172,800円 |
| 税引後月換算 | 約14,400円 |
雑収入として確定申告が必要だ。経費はほとんど計上できない。車止め代2,500円くらいのものだ。
手取りは月約14,400円。少ないと感じるかもしれない。だが準備も費用も手間もなく、毎月振り込まれてくる。これをどう評価するかは人による。
私は満足している。
今後の懸念:2年更新と減額交渉リスク
契約は2年更新だ。
駐車スペースが止めにくいこと、前面道路が狭いこと、近隣の自転車が邪魔になることなど、マイナス要因がA社の耳に入っている。更新のタイミングで減額交渉をしてくる可能性がある。
それまでに電柱の移設を完遂させたい。私有地そばの私道に立っている電信柱を移設することで、駐車場の使い勝手と外観が改善される。それが交渉の砦になると思っている。
サブリースを検討している人へ
| サブリース | 出来高制 | 自己管理 | |
|---|---|---|---|
| 収入の安定性 | ◎ | △ | △ |
| 手間 | ◎ | ○ | △ |
| 収入の最大化 | △ | ○ | ◎ |
| 空車リスク | なし | あり | あり |
| 向いている人 | 安定重視・立地に不安 | 立地に自信あり | 手間を厭わない |
立地に自信があるなら出来高制の方が収入は上がる可能性がある。私の場合は駐車スペースの狭さというハンデがあったため、サブリースを選んだ。それぞれの条件と性格に合った方式を選ぶことが重要だ。
会社を介さない場合は、自分で駐車場事業を行うための申請がいるそうだ。これは面倒なようで少し調べてやめた。
他に有名な駐車場副業サービスとしてはバイク1台分のスペースから貸し出しができるアキッパ(Akippa)などがある。全国展開しており集客は最強だ。
都内で駐車場を借りないメリットの再確認
駐車場付き物件の財務的メリットは、状況によって形が変わる。車を持てば駐車場代(都内月2万円台)がかからない。車を持たない今は、その空きスペースからサブリース収入として月18,000円が入ってくる。どちらの状況でも、駐車場なし物件より有利な立場にある。
駐車場付き物件は査定額も上がる傾向だそうだ。それが駐車場付き物件にこだわった理由だ。
いつか詳しく書きたいことだが、ピロティ式駐車場の住宅は耐震構造で劣るとされている。都内の住宅地では大半がこのピロティ式駐車場の物件だ。
そして駐車場を持ってそこに出入りする車両があるということは、先述したようなトラブルに発展しかねない状況を作り出すことになる。
今は私がそれぞれ選んだ設備(狭小土地を活かしたピロティ式駐車場)とサブリース報酬という形には、多少のリスクが付きまとうということとして割り切っているつもりだ。
次の記事では、住宅ローン控除と確定申告の実体験を話す。控除21万円がまだ入金されていない現実と、副業で追加納税した話だ。



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