♯13 断熱等級4の現実 令和の新築戸建ての性能とは

3階建て,建売,狭小住宅(ペンシルハウス), オープンハウス(OPENHOUSE) ”例のあの会社”

私は令和の新築戸建てに、少し夢を見過ぎていたのかもしれない。

入居前に調べた情報では、断熱等級4の家は都内なら真冬でも室温が10度を下回らないとあった。賃貸の鉄骨築浅物件と比べれば、それなりに暖かいはずだと思っていた。

現実は違った。


実際の室温

2026年の1月、おそらく東京で最も寒かったと思われる日、暖房を長時間切った状態で計測した。私の家の最低室温がこちらだ。

場所最低室温
2階リビング7度
1階脱衣所5度

10度を下回らないはずが、リビングで7度だった。

誤解のないように書いておく。エアコンをつければ快適だ。賃貸マンションより暖かく、涼しい。断熱等級4を完全否定するつもりはない。ただ、暖房を切った状態での素の断熱性能は、期待より低かった。

ヒートショックは高齢者だけの問題ではない。温度差が激しい環境は誰にとってもリスクだ。脱衣所にはコンパクトなセラミックヒーターを設置した。床暖・浴室暖房があっても、脱衣所の対策は別途必要だと判断した。


特に寒い場所

1階全体が寒い。

理由は構造にある。1階の半分は車庫と玄関だ。人がいない。暖房も設置していない。その上に2階のLDKがあるため、下からの生活熱がなく、リビングも比較的寒い方になる。

ただし床は思ったより冷たくない。床材の断熱性能か、床暖の効果か、空間の寒さの割に足元は耐えられる水準だ。

東側の陽当たりが問題だ。

私の家は東側の隣家が近く、朝から昼にかけての陽当たりが悪い。室温の上昇が遅い。一方で午後は西日・南日がしっかり当たり、夕方まで比較的暖かい。

冬の朝の東南の陽当たりは、新築検討時に真剣に確認すべき要素だと実感した。


私の断熱対策

①リビング階段への仕切りカーテン

これは即効性があった。

リビング階段は暖気が逃げる最大の穴だ。2セットで1万円未満のものを設置した。多少の解放感は失われるが、冬と夏だけでも仕切りをつける価値は十分ある。※写真掲載予定

②ハニカム構造のブラインド

窓周りの断熱設備にはこだわった。一番過ごす2階のリビングの窓は、すべてハニカム構造のブラインドにした。カーテンが機能面は最強だと思っていたが、カーテンの設置は窓枠より部屋側にせり出ることになる。部屋の圧迫感をなくすためにも選択しなかった。

注目したのは断熱性と保温性に優れたハニカムスクリーンだ。六角形の空気層を利用して、夏は外の暑い空気を、冬はひんやりとした冷気を窓辺で遮る。効果は体感できるレベルだ。圧迫感もなく、見た目も無難で気に入っている。※写真掲載予定

バーチカルブラインドはおしゃれだが見送った。バーチカルブラインドは縦型の羽根が横にズラリと並ぶ設計で羽根の間に隙間がある構造上、耐寒性が高くない。断熱性を優先した結果だ。また、バーチカルブラインドは横幅の大きな、掃き出しの窓がよく似合う。私の家にはベストマッチではないと判断した。

参考に、窓周りアイテムの特徴を一般に言われている情報として整理しておく。

種類断熱性デザインお手入れ向いている場所
カーテン◎(洗濯可)寝室・全般
ハニカムブラインド断熱重視の部屋
アルミブラインド調光重視の部屋
ウッドブラインドリビング・書斎
バーチカルブラインド大きな窓・出入り多い場所

③コンセント・スイッチカバーの断熱処置

地味だが効果があった対策だ。

SNSで見かけた情報だが、コンセントやスイッチカバーの隙間から冷気が流れ出てくるという話。試してみたら本当だった。家中のスイッチカバーを一つひとつ外し、内側にマスキングテープで断熱処置をした。その結果部屋の室温は上がったのかというとわからないが、手を当ててみると処理前後で冷風の漏れ出しは明らかに軽減された。

スイッチカバーは女性でも簡単に外せる。電線に触れるわけではないので電気工事士の資格は不要な認識だが、電気系統の近くを扱う作業にはなるため、あくまで自己責任での対応だ。

④電気カーペット

電気毛布の電気代は1時間あたり約0.31円〜2.3円。一般的な暖房器具の中でも非常に電気代が安い。電気カーペットも同様に、狭い範囲を暖めるには電気代の効率が良い。ソファで電気毛布にくるまってYouTubeを見ようものなら、そのまま寝落ちする確率が高い。これは私だけではないはずだ。


暖房器具の電気代比較

参考として主要な暖房器具の特徴と電気代をまとめておく。

暖房器具暖まる速度暖まる範囲1時間の電気代目安向いている使い方
エアコン遅め(15〜20分)部屋全体約15〜46円長時間・広い部屋
セラミックヒーター速い狭い範囲約19〜39円短時間・脱衣所・足元
電気カーペット速い接触部分約6円足元・局所
電気毛布速い体周辺約0.3〜2円就寝時・デスクワーク
こたつ速いこたつ内約3〜6円リビング・長時間
オイルヒーター遅い部屋全体約10〜30円就寝時・乾燥が嫌な人

エアコンを1時間使うと約13〜31円かかるが、こたつと電気毛布を組み合わせると1時間あたり約1.7〜4.5円まで抑えられる。部屋全体を強く暖めるのではなく、身体の近くを重点的に暖める器具を組み合わせるのがコスト面では合理的だ。

私の場合、リビングのエアコンは木造住宅18畳モデルを選んだ。20畳には本来足りないが許容範囲とした。23~25畳用にするだけで金額はさらに跳ね上がる。

よくSNSで「エアコンの性能は古い基準で設計されており、6畳用エアコンで十分」という説を見かける。一理あるのかもしれない。よく調べたが、金額と性能と電気代においてどちら合理的なのか答えが出なかった。

ただ、常にエアコンをフル稼働する時間だけ音が気になるはずだ。結果的には大きい容量のタイプにして良かったと思っている。20畳のリビングは割とすぐに暖まるし、涼しくなってくれている。


夏はどうか

東京の住宅街の厳しい夏はよく知っていた。過ごしてみると2025年の夏は思っていたより快適だった。

東側の陽当たりが悪いため、午前中は涼しい。南と西の陽当たりが良いが、ハニカムブラインドの効果もあってか、エアコンをそれなりに効かせれば問題なかった。

3階は暑く、1階は涼しい。これは構造上の当然の結果だ。

冬の寒さと比較すれば、夏の方がずっと対処しやすかった。


正直な結論

令和の新築戸建てに夢を見過ぎた。

もちろんエアコンがあれば快適に暮らせる。断熱等級4を全否定するつもりはない。ただし、寒さにストレスを感じずに暮らしたいなら、断熱等級4はおすすめしない。

”例のあの会社”の物件だから一般に比べて劣る…という可能性はあるかもしれない。

等級5・6を選べるなら選んだ方がいい。あるいは私のように対策を重ねるしかない。評価額にも大きく影響する。

断熱等級は施工内容と住宅の間取りにもよるが、数百万円で断熱リノベが可能だ。補助金も出る。それについてはまた調べてみたいと思う。

この家で冬を越しながら、断熱性能は妥協すべきではないと学んだ。


次の記事では、契約から1年半が経過した今、私の街で起きている地価上昇の要因を、何が起こっているのかを話す。


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